約20年ほど前から、ピリオダイゼーション理論というトレーニング方法がもたらされ、モウリーニョ監督始め、グアルディオラなどが、このトレーニング方法を取り入れた事で、指導者達の間では大革命が起こりました。

では、いったいピリオダイゼーションとは何か。

簡単に言うと、フィジカルも、技術も、判断・メンタルも、サッカーでしか身に付かないという哲学(考え方)であります。

ひと昔前のトレーニングは、リフティングやらドリブル練習やら、陸上のトレーニングを入れたりして、それぞれの項目を分けてトレーニングしてきました。

しかし、それでは、ボール扱いが上手く、走るのが早い選手は育つけれど、結局、試合で力が発揮できない選手となってしまいます。

小難しい話になりますが、この理論ではサッカーを一つの生命体と考えることで、科学的に分析・解明できることと、予想不可能な事態などに分類され、サッカーの本質を捉える事ができます。

例えとして挙げられるのが、魚は骨、筋肉、心臓、血管など分解する事ができ、メカニズムは解明できますが、それを正しく元に戻しても魚は蘇生しません。

サッカーの本質は正に生命そのものであるという考え方です。

その考えを基に、様々なトレーニング方法が開発されてきました。

その一つに、トレーニングに含む5大要素[戦術、技術、フィジカル、判断、メンタル]というのがあります。

現代サッカーでは5大要素を含んだトレーニング(インテグラルトレーニング)を行い、よりサッカーの本質に近づいた選手育成を行っています。

つまり、良い選手の基準とは、基本的にこの5大要素の数値が高い選手ほど評価される傾向にあります。

だから、めちゃくちゃボール扱いが上手くて、筋トレしてマッチョになっても、戦術に基づいたトレーニングをしてなく、判断、メンタルが無ければ試合ではその力が発揮されないのです。

緊張、ヤル気、向上心などのメンタル=脳であり、技術習得も神経や集中力など司る脳からの指令であり、判断・戦術理解も脳であります。

その脳ミソは体(フィジカル)の一部分であるという考えから、脳とフィジカルは深い関連があります。

だから、運動する方が集中力も上がり、学力も向上するのです。

こう見えてサッカーは奥が深いのですね。